情報通信分野を中心とする技術革新により、人・もの・金などの多様な面でのグローバル化が進展するなかで、人類社会は新たな課題に直面しています。地球温暖化をはじめとする環境問題、人口爆発と食料危機、エネルギー資源の枯渇、先進国と途上国の間の格差と貧困、核兵器の拡散、そしてCOVID-19に代表される感染症の世界的流行──。これらの地球的諸課題はいずれも歴史的な経緯を背景にもち、その解決には国際的な協力と歴史的な視座が不可欠です。
世界史の最終記事として、人類が直面する諸課題を概観し、歴史を学ぶことの意義を考えます。
18世紀の産業革命以降、人類は石炭・石油などの化石燃料を大量に消費してきました。20世紀には科学技術のめざましい革新がおこり、生活水準の向上をもたらしましたが、同時に環境破壊をはじめとする新たな問題も生み出しました。工場や自動車の排気ガスによる大気汚染は酸性雨をもたらして森林を破壊し、フロンなどによるオゾン層の破壊は生態系に大きな影響を与えています。そして二酸化炭素などの温室効果ガスの大量発生は地球温暖化を招いて気候変動や海水面の上昇をもたらしています。これらはいずれも、一国の努力だけでは解決できない地球規模の課題であり、国際的な協力体制の構築が急務です。
1992年、ブラジルのリオデジャネイロで地球環境の保全と持続可能な開発の実現に向けた方策を討議するため、国連環境開発会議(地球サミット)が開催され、アジェンダ21とリオ宣言が採択されて「持続可能な開発」という考え方が理念として示されました。また気候変動枠組条約も採択されました。この条約に基づき、1997年には京都で開かれたCOP3(第3回気候変動枠組条約締約国会議)で京都議定書が採択されます。京都議定書は先進国を中心に温室効果ガス削減に向けた各国別の数値目標を定めた画期的な合意でしたが、最大の排出国であるアメリカが離脱し、中国・インドなどの途上国には削減義務がないという限界がありました。
2015年の第21回会議(COP21)では、196の国と地域が京都議定書にかわる新たな温室効果ガス削減の枠組みであるパリ協定を採択しました(2016年発効)。パリ協定は先進国・途上国の区別なくすべての締約国が削減目標を提出する枠組みを構築し、産業革命前からの気温上昇を2℃未満(努力目標1.5℃)に抑えることを目標に掲げました。京都議定書の反省を踏まえ、各国が自主的に目標を設定する方式を採用したことが特徴です。世界各国はパリ協定の精神のもとに再生可能エネルギーなどの開発を急ぎ、脱炭素社会の実現をめざしています。なお、2017年に成立したアメリカのトランプ政権がパリ協定からの脱退を宣言しましたが、つづくバイデン政権が2021年に復帰を宣言しました。
「義務を課す」方式では主要排出国の参加を確保できなかったため、各国の自主性を尊重しつつ全員参加を実現する方式に転換したのです。
| 項目 | 京都議定書(1997年) | パリ協定(2015年) |
|---|---|---|
| 対象国 | 先進国のみ | 全締約国 |
| 目標設定 | トップダウン(国際合意で決定) | ボトムアップ(各国が自主設定) |
| 削減目標 | 各国別の数値目標(法的拘束力あり) | 目標提出は義務、達成は努力義務 |
| 長期目標 | 先進国を中心に温室効果ガス削減 | 気温上昇2℃未満(努力目標1.5℃) |
| 課題 | 米国離脱、途上国の不参加 | 目標の野心度が各国任せ |
20世紀には科学技術のめざましい革新がおこり、広範な地域で生活水準の向上をもたらしましたが、同時に環境破壊をはじめとする新たな問題も生み出しました。環境問題の根源は産業革命にまで遡ることができます。
産業革命以来の化石燃料消費が地球温暖化を引き起こし、京都議定書からパリ協定へと国際的な対策枠組みが発展した。環境問題は一国規模で対応できるものではなく、国際的な協力体制の構築が急務である。(93字)
世界人口は20世紀に急増しました。1900年に約16億人だった人口は、2000年には約60億人を超え、2022年には80億人に達しました。この急増の大部分はアジア・アフリカなどの途上国で起こっています。一方、先進国や一部のアジア諸国では高齢化および少子化が顕著であり、人口構造の地域間格差が拡大しています。
人口増加は食料・水・エネルギーの需要を押し上げ、環境への負荷を増大させます。とりわけサハラ以南アフリカでは人口増加のペースが食料生産を上回り、慢性的な飢餓が深刻な問題となっています。
20世紀後半の緑の革命は穀物生産量を飛躍的に増大させましたが、食料分配の不均衡は解消されていません。世界全体では食料は足りているにもかかわらず、一部の地域では飢餓に苦しむ人々がおり、他方では食品廃棄が問題となっています。食料問題は生産量の問題ではなく、分配と貧困の問題でもあるのです。
現代文明はエネルギーなしには成り立ちません。20世紀の経済成長は石油をはじめとする化石燃料に大きく依存してきましたが、化石燃料には埋蔵量の限界と、燃焼にともなうCO2排出という二つの問題があります。1970年代の石油危機(オイル=ショック)は、エネルギーの安定供給が国際政治を左右することを世界に示すとともに、経済成長による進歩を際限なく続けることへの疑念を引きおこしました。
21世紀に入り、世界のエネルギーの多様化が進行しています。水力・風力・太陽光エネルギーによる発電を増やす努力が進められていますが、途上国ではなおも化石燃料への依存度が高く、経済発展と環境保全の両立が課題となっています。また、原子力発電は温室効果ガスを排出しない利点がある一方、1979年のアメリカ・スリーマイル島原子力発電所事故、1986年のソ連・チョルノービリ原子力発電所事故、そして2011年の福島第一原子力発電所事故が示したように安全性のリスクも抱えており、一部の国では脱原発政策が採用されています。食料・資源・環境問題などについて長期的な見通しを立て、持続可能な成長の枠組みを整えることが、今日いっそう求められています。
人口・食料・エネルギー・環境の問題は相互に連動しており、個別に解決することはできません。
世界人口の急増は食料・エネルギー需要を押し上げ、環境負荷を増大させている。これらの問題は相互に連動しており、地球規模での持続可能な解決策が求められている。(76字)
先進工業国(主に北半球)と途上国(主に南半球)の間の経済格差は、南北問題と呼ばれます。この格差は、植民地支配の結果として生じた、一次産品の輸出に依存する脆弱な経済構造(モノカルチャー経済)が独立後も残存したことに大きな原因があります。途上国はこの脆弱な経済構造のもとで価格変動の打撃を受けやすく、自立的な経済発展を妨げられてきました。
1964年には国連貿易開発会議(UNCTAD)が設立され、途上国の経済発展と南北間の公正な貿易が国際的な議題となりました。1970年代には途上国側が新国際経済秩序(NIEO)の樹立を求めましたが、先進国との交渉は難航しました。
冷戦終結後のグローバル化は、中国・インド・東南アジアなど一部の途上国に急速な経済成長をもたらしました。しかし同時に、成長から取り残された最貧国(特にサハラ以南アフリカ)との格差はむしろ拡大しました。さらに、グローバル化は企業の生産拠点を低賃金の国に移転させ、先進国でも製造業の空洞化や非正規雇用の増大をもたらし、国内格差も拡大しました。こうして、グローバル化によって地球規模で、また各国・地域内でも貧富の差が拡大し、格差の問題は深刻化しています。
2008年、アメリカのサブプライムローン問題を発端として大手投資銀行リーマン=ブラザーズが経営破綻し(リーマン=ショック)、世界的な金融危機が発生しました。金融市場の混乱は実体経済にも波及して世界的な景気後退をもたらし、途上国を含む多くの国で失業や貧困が拡大しました。この危機は、グローバルに統合された金融システムがもつリスクを改めて示しました。
国際社会では、個別の対策だけではなく大きな枠組みのなかで貧困をはじめとする問題の解消をはかる動きが進んでいます。2000年に国連で採択されたミレニアム開発目標(MDGs)は、極度の貧困と飢餓の撲滅など8つの目標を掲げ、一定の成果をあげました。その後継として2015年の国連サミットで採択されたのが持続可能な開発目標(SDGs)です。SDGsは貧困・飢餓・教育・健康・環境・平和など17の目標を掲げ、持続可能でよりよい世界の実現を2030年までにめざす国際目標です。「誰一人取り残さない」を方針として、先進国も含む普遍的な格差の解消がめざされている点が特徴です。
南北問題の根源には、大航海時代以降の植民地支配がつくり出した経済構造があります。ヨーロッパ諸国は植民地をプランテーション農業や鉱物資源の供給地として利用し、工業製品の市場としました。この不均等な関係は、植民地が独立した後も「モノカルチャー経済」として残存し、途上国の自立的な経済発展を妨げる要因となったのです。歴史を学ぶことで、現在の格差がなぜ生まれたのかを構造的に理解することができます。
植民地時代に起源をもつ南北問題は、グローバル化で一部は改善されたが新たな格差も生んだ。2015年に採択されたSDGsは「誰一人取り残さない」を方針に、先進国も含む普遍的な格差の解消をめざしている。(96字)
1945年の広島・長崎への原爆投下は、核兵器の破壊力を世界に示しました。冷戦期にはアメリカとソ連の間で核軍備競争が激化し、人類を何度も滅ぼせるほどの核兵器が蓄積されました。1962年のキューバ危機は核戦争の瀬戸際まで至り、核軍縮の必要性を痛感させる契機となりました。
1968年に署名された核拡散防止条約(NPT)は、米・ソ(露)・英・仏・中の5か国を核兵器国と認めつつ、それ以外の国への核兵器の拡散を防ぐことを目的としています。しかし、インド・パキスタン・北朝鮮はNPTの枠外で核実験を行い、イスラエルも核兵器の保有が推定されるなど、核拡散の問題は解消されていません。
冷戦の終結後、米露間では戦略兵器削減条約(START)などにより核弾頭の削減が進みました。1996年には包括的核実験禁止条約(CTBT)が締結されましたが、未発効のままです。2009年にはアメリカのオバマ大統領がプラハでの演説で「核なき世界」の実現を訴え、2016年5月には広島を訪れて核兵器の廃絶をうったえました。2017年には核兵器禁止条約が国連で採択され、核兵器の開発・保有・使用を全面的に禁止しましたが、核兵器国はいずれも参加していません。一方、トランプ政権成立後の2019年には、アメリカはロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄しました。核保有国が増加するなか、核兵器の完全廃絶への道のりは依然として険しいのが現状であり、さらなる取り組みが必要です。
冷戦後には地域紛争やテロリズムが平和への新たな脅威として台頭しました。2001年のアメリカ同時多発テロ(9.11事件)は、アルカーイダによるアメリカを中心とする世界秩序への挑戦であり、国家間の戦争だけでなく非国家組織による脅威にも対処する必要性を示しました。
| 年 | 条約・出来事 | 内容 |
|---|---|---|
| 1963年 | 部分的核実験禁止条約(PTBT) | 大気圏内・水中・宇宙空間での核実験を禁止 |
| 1968年 | 核拡散防止条約(NPT) | 5大国以外への核兵器の拡散を防止 |
| 1987年 | 中距離核戦力全廃条約(INF) | 米ソ間の中距離核ミサイルを全廃 |
| 1991年 | 第一次戦略兵器削減条約(START I) | 米ソの戦略核弾頭を大幅削減 |
| 1996年 | 包括的核実験禁止条約(CTBT) | あらゆる核実験を禁止(未発効) |
| 2009年 | オバマ大統領のプラハ演説 | 「核なき世界」の実現を訴える |
| 2016年 | オバマ大統領の広島訪問 | 現職米大統領として初の被爆地訪問 |
| 2017年 | 核兵器禁止条約 | 核兵器の開発・保有・使用を全面禁止 |
| 2019年 | INF全廃条約の失効 | 米がロシアの条約違反を理由に破棄 |
冷戦期の核軍備競争を経てNPT体制が構築されたが、核保有国が増加するなど核拡散は防ぎきれていない。オバマ大統領の「核なき世界」演説や核兵器禁止条約の採択など新たな動きもあるが、核兵器国の不参加という課題が残る。(104字)
感染症は人類の歴史を大きく変えてきました。14世紀のヨーロッパで猛威をふるったペスト(黒死病)は人口の約3分の1を死亡させ、中世封建社会の解体を加速しました。16世紀の大航海時代には、ヨーロッパ人が持ち込んだ天然痘などの感染症がアメリカ大陸の先住民人口を激減させ、植民地支配を容易にする一因となりました。20世紀初頭のスペイン風邪(1918~19年)は世界中で数千万人の命を奪いました。
2019年末に確認された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2020年に世界中に広まり、パンデミックとなりました。感染症対策に取り組む世界保健機関(WHO)は、1980年に天然痘の根絶に成功した実績をもちますが、COVID-19への対策では諸国の利害対立にも苦しみました。各国はロックダウン(都市封鎖)や渡航制限を実施し、世界経済は大きな打撃を受けました。
COVID-19のパンデミックは、グローバル化が人・モノ・情報の移動を活発化させる一方で、感染症が瞬時に世界中に拡散するリスクも高めていることを示しました。また、ワクチンの開発と分配においても先進国と途上国の間に大きな格差が生じ、国際協力の重要性と困難さが改めて浮き彫りになりました。
感染症は単なる医学の問題ではなく、社会・経済・政治の変動を引き起こす歴史的事象です。
14世紀のペスト流行は封建社会の変容を、大航海時代の感染症拡大は世界の一体化を加速させました。感染症の歴史を振り返ると、人類が危機を乗り越える過程で社会制度や国際関係が変革されてきたことがわかります。
感染症は歴史を通じて社会を大きく変えてきた。COVID-19はグローバル化時代のパンデミックのリスクと、ワクチン格差にみられる国際協力の課題を浮き彫りにした。(76字)
冷戦終結後の1996年、アメリカの政治学者ハンティントンは、冷戦後の世界ではイデオロギーの対立に代わって文明間の衝突が国際紛争の主要な原因になると論じました。この「文明の衝突」論は大きな反響を呼びましたが、文明を固定的・排他的にとらえすぎているとの批判も多く寄せられました。
実際の歴史を振り返れば、異なる文明は衝突するだけでなく、交流と融合を繰り返してきました。各地域の文化は独自の意義をもっており対等であるという文化多元主義の立場からの見方も重要です。イスラーム世界がギリシア哲学を継承し発展させたこと、シルクロードを通じて東西の文物が交流したこと、近代の日本が西洋文明を積極的に受容して独自の近代化を遂げたこと──これらはすべて、文明間の対話と相互学習の成果です。
グローバル化は人の移動をいっそう押しすすめ、異なる文化的背景をもつ人々が同じ社会で暮らす多文化共生の実現が重要な課題となっています。移民・難民の増加は各国の社会に多様性をもたらす一方、移民の言語や価値観を同質化しようとする同化主義と、多様な文化を認め共存をめざす多文化主義とがせめぎあう状況も生まれています。
2001年の国連総会は「文明間の対話年」を宣言し、異なる文明・文化・宗教の間の相互理解と尊重を促進する取り組みが進められています。多文化共生の実現には、他者への寛容と相互理解、そして自らの文化を相対化する視座が不可欠です。世界史を学ぶことは、まさにこの視座を養うことにほかなりません。
冷戦後に「文明の衝突」論が提起されたが、各地域の文化は独自の意義をもち対等であるとする文化多元主義の視点も重要である。同化主義と多文化主義がせめぎあうなか、多文化共生の実現には他者への寛容と歴史的な視座が不可欠である。(108字)
人類は数千年の歴史のなかで、戦争と平和、繁栄と衰退、対立と共生を繰り返してきました。環境問題、格差、核兵器、感染症──現在の地球規模の課題はいずれも歴史のなかで形成されたものであり、その解決の糸口もまた歴史のなかにあります。
世界史を学ぶことの意義は、次の3つに集約できます。
地球規模の課題に向き合う21世紀において、歴史的な視座をもつことはますます重要になっています。21世紀に生きる個人・NGO・企業・国家などは、いずれもがこうした課題に主体的に取り組み、新たな秩序を模索していくことが求められています。過去を知り、現在を理解し、よりよい社会の実現に向けて平和や共生のルールを構想する──それが世界史を学ぶことの最大の意義です。
過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる。
産業革命による工業化→化石燃料の大量消費→温室効果ガスの大量発生→地球温暖化・気候変動→京都議定書(各国別数値目標)・パリ協定(全締約国参加)→脱炭素社会への模索
大航海時代以降の植民地支配→一次産品の輸出に依存する脆弱な経済構造(モノカルチャー経済)の形成→独立後も構造が残存→先進国との経済格差(南北問題)→UNCTAD設立→SDGs採択(「誰一人取り残さない」)
| 感染症 | 時代 | 主な影響 |
|---|---|---|
| ペスト(黒死病) | 14世紀 | 欧州人口の約3分の1が死亡、封建社会の動揺 |
| 天然痘(新大陸) | 16世紀 | 先住民人口の激減、植民地支配の加速 |
| スペイン風邪 | 1918~19年 | 世界で数千万人が死亡、第一次大戦後の社会不安 |
| COVID-19 | 2020年~ | 世界的な経済停滞、ワクチン格差、国際協力の課題 |
UNCTAD設立(1964年)→新国際経済秩序の要求(1970年代)→ミレニアム開発目標(MDGs, 2000年)→持続可能な開発目標(SDGs, 2015年)。途上国支援から「誰一人取り残さない」を方針とする全世界共通の目標へと枠組みが拡大した。
グローバル化の進展のなかで、環境・人口・格差・核・感染症などの地球的諸課題が深刻化した。これらの問題はいずれも歴史的経緯を背景にもち、その解決には国際協力と歴史的視座が不可欠である。21世紀に生きる個人・企業・国家のいずれもが主体的に取り組むことが求められている。(128字)
Q1. 1997年に採択された、先進国に温室効果ガスの削減義務を課した議定書は( )である。
Q2. 2015年のCOP21で採択された、すべての締約国が削減目標を提出する気候変動対策の枠組みは( )である。
Q3. 先進工業国(北)と途上国(南)の間の経済格差の問題を( )問題という。
Q4. 2015年に国連で採択された、17の目標からなる国際的な開発目標の略称は( )である。
Q5. 1968年に署名された、5大国以外への核兵器の拡散を防止する条約の略称は( )である。
Q6. 2019年末に確認され世界的なパンデミックとなった感染症の名称は( )である。
Q7. 冷戦後に「文明の衝突」論を提唱したアメリカの政治学者は( )である。
次の文の空欄に適語を入れよ。
(1) 1992年にブラジルのリオデジャネイロで( ア )が開催され、気候変動枠組条約が採択された。
(2) 1997年に京都で採択された( イ )は、先進国に温室効果ガスの削減義務を課した。
(3) 2015年に採択されたパリ協定は、産業革命前からの気温上昇を( ウ )未満に抑えることを目標とした。
(4) 1968年に署名された( エ )は、5大国以外への核兵器の拡散を防止することを目的とする。
ア:国連環境開発会議(地球サミット) イ:京都議定書 ウ:2℃ エ:核拡散防止条約(NPT)
(1)について:リオデジャネイロでの地球サミットは、地球環境の保全と持続可能な開発の実現に向けた方策を討議するために開催され、気候変動枠組条約が採択されました。(2)について:京都議定書は温室効果ガス削減に向けた各国別の数値目標を定めた点が特徴で、アメリカの離脱が大きな問題となりました。(3)について:パリ協定の長期目標は2℃未満で、さらに1.5℃に抑える努力を追求するとされています。(4)について:NPTは核兵器国を米・ソ(露)・英・仏・中の5か国に限定し、他の国への核拡散を防ぐ国際条約です。
次の問いに答えよ。
(1) 京都議定書からパリ協定への転換において、対象国がどのように変わったかを説明せよ。
(2) 南北問題が生じた歴史的背景を、「植民地」「モノカルチャー」の語句を使って簡潔に説明せよ。
(3) 2017年に国連で採択された、核兵器の開発・保有・使用を全面的に禁止する条約の名称を答えよ。
(1) 京都議定書では先進国を中心に各国別の数値目標が設定されていたが、パリ協定では196の国と地域がすべて自主的に削減目標を提出する方式に変わった。
(2) 植民地時代に宗主国がプランテーション農業や資源採掘を行わせた結果、途上国にモノカルチャー経済が形成され、独立後もその構造が残存して先進国との経済格差が固定化された。
(3) 核兵器禁止条約
(1)について:京都議定書は先進国を中心に各国別の数値目標を定めるトップダウン方式でしたが、最大排出国のアメリカが離脱し実効性に限界がありました。パリ協定は196の国と地域が参加するボトムアップ方式に転換し、この問題を解決しようとしました。(2)について:南北問題の構造的原因は植民地支配の結果として生じた、一次産品の輸出に依存する脆弱な経済構造にあります。この構造は独立後も残存し、途上国の自立的な経済発展を妨げました。(3)について:核兵器禁止条約は2021年に発効しましたが、核兵器国やその同盟国は参加しておらず、実効性が課題とされています。
グローバル化の進展が地球規模の課題にどのような影響を与えたかを、「環境」「格差」「感染症」の語句を使って150字以内で説明せよ。
グローバル化は経済成長を促す一方、化石燃料の消費拡大により環境問題を深刻化させた。自由貿易の恩恵は先進国や新興国に偏り、最貧国との格差はむしろ拡大した。また人の移動の活発化はCOVID-19のように感染症を瞬時に世界中に拡散させるリスクを高め、国際協力の必要性を改めて示した。(138字)
この問題では、グローバル化の「光と影」を3つの側面から論理的に論述することが求められます。環境問題・格差・感染症のそれぞれについて、グローバル化との因果関係を明確に記述しましょう。